今日からできる!末端冷え性を改善する4つの習慣

「靴下を重ねて履いても足先が氷のように冷たい」「手袋をしていても指先がジンジンと冷える」そんな手足の冷えに悩んでいませんか?

末端冷え性は放置すると、頭痛や肩こり、不眠など全身の不調につながる可能性があります。また、なかなか改善しない冷えは、ときに病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。今回は、末端冷え性が起こる仕組みやリスク、今日から実践できる対策をご紹介します。

末端冷え性とは?

末端冷え性(四肢末端型)とは、体温は低くないのに、手や足の先が冷たく感じる状態を指します。そもそも、「冷え性」は医学的な診断名ではなく、末端冷え性はいくつかのタイプの中の1つです。

寒さによって手足が冷たくなる状態とは異なり、本人が「冷えている」という自覚がある点が特徴で、ほかの人が触ってもさほど冷たく感じない場合もあります。

末端冷え性の仕組みと原因

末端冷え性は手足だけではなく、身体全体の仕組みとさまざまな原因が重なり合って起こります。

末端冷え性が起こる仕組み

末端冷え性が起こる仕組みには、身体を守るための「防衛反応」がかかわっています。気温の低下などによって交感神経が働くと、身体の中心に血液を集めるために、手足など末端の血管が収縮します。その結果、血液が末端まで届きにくくなり、手足の冷えが生じるのです。

この防衛反応は自律神経の乱れによっても起こるため、気温が低下する冬だけでなく、夏でも末端冷え性が起こる場合があります。

末端冷え性の原因

末端冷え性は、以下のようにさまざまな生活習慣や環境が原因となって引き起こされます。

※横にスクロールできます

原因 理由 主な要因
筋肉量の低下・
姿勢の悪さ
  • 筋肉量が低下すると熱をつくる力が弱まる
  • 姿勢の悪い状態が続くと血流が低下する
  • 痩せすぎ
  • 運動不足
  • 猫背・スマホ首
自律神経の乱れ
  • ストレスやホルモンバランスの変化、温度差などにより交感神経が優位になると、末端の血管が収縮する
  • 睡眠不足・ストレス
  • 更年期・月経
  • 冷房による冷えや屋外との寒暖差
喫煙習慣
  • ニコチンの血管収縮作用が末端の血流悪化を招く
  • 過度の喫煙
きつい下着や靴による
締め付け
  • 衣服による身体の締め付けが血行不良につながる
  • きつい補正下着
  • サイズが合っていない靴
食生活の乱れ・
栄養不足
  • 身体を温めるためのエネルギーが不足する
  • 鉄分が不足すると全身に十分な酸素を運べなくなり、熱をつくる働きが低下する
  • 過食・偏食
  • 極端な食事制限

当てはまる項目がないか振り返り、できるところから見直していきましょう。

末端冷え性がもたらす影響とリスク

末端冷え性を、「手足が冷たいだけ」と安易に考えて放置すると、全身の不調につながる可能性があります。

冷え性は手足だけでなく、全身の不調を招く場合があります。

  • 肩こり・頭痛
    冷えによって血流が低下すると、筋肉が緊張しやすくなり、肩こりや頭痛につながる場合があります。また、筋肉のこわばりが周囲の血流をさらに悪化させ、痛みを感じやすくなることもあります。
  • 不眠
    人が眠りにつくときは、手足から熱を逃がして身体の深部体温が下がります。しかし、手足が冷えて放熱が上手くいかないと、深部体温が下がりにくくなり、寝つきが悪くなる場合があります。
  • むくみ・肌荒れ
    血液は酸素や栄養だけでなく、老廃物を運ぶ役割も担っています。冷えにより血流が滞ると、余分な水分や老廃物が体内にたまりやすくなり、むくみが生じます。また、肌に必要な栄養が行きわたりにくくなることで、代謝が乱れ、肌荒れにつながる場合もあります。
  • 月経に伴うトラブル
    冷え性によって骨盤周囲の血流が滞ると、生理痛がひどくなったり、生理不順につながったりする場合があります。

冷えを感じた時点で早めに対策することが、将来的な不調の予防につながります。

今日から実践!末端冷え性を根本から改善する4つの習慣

末端冷え性の改善には、日々の生活の中でできる対策を続けることが大切です。

【服装】首・手首・足首を温めて熱を逃がさない

首・手首・足首は皮膚が薄く、太い血管が皮膚のすぐ下を通っています。また、外気にさらされやすい部位であり、冷たい空気にさらされ続けると、身体の熱が奪われ、末端冷え性が悪化する場合があります。症状の改善のためには、以下のような防寒アイテムを取り入れましょう。

  • 首:マフラー、ストール
  • 手首:手袋、リストウォーマー
  • 足首:レッグウォーマー、靴下

意識的に温めることで、温かい血液が手足の先まで運ばれやすくなり、末端冷え性の改善が期待できます。

【運動・姿勢】血流を促す簡単エクササイズ

末端冷え性の改善には、第2の心臓と呼ばれるふくらはぎや、手足の指先を動かし、血流を促すことが効果的です。まずは、簡単なエクササイズからはじめましょう※1。

※1 ふらつきやふくらはぎのけいれんがある場合は無理をせず、転倒しないよう周囲の壁や机、椅子などに手を添えて行ってください。

「つま先立ち」エクササイズ 

  1. 立った状態でかかとをゆっくり持ち上げ、つま先立ちの状態で10秒ほどキープ
  2. かかとを下ろし、少し休む
  3. 1〜2を5回ほど繰り返す

「かかと立ち」エクササイズ

  1. 立った状態でつま先をゆっくり持ち上げ、かかと立ちの状態で5秒ほどキープ
  2. つま先を下ろし、少し休む
  3. 1〜2を5回ほど繰り返す

「指先グーパー」エクササイズ

  1. 座った状態でひざの上に手を置く
  2. 指先をぎゅっと握り込み、グーの形を作る
  3. 指を大きく開き、パーの形を作る
  4. 2〜3を5回ほど繰り返す

エクササイズと合わせて、座っているときに脚を組まない、猫背にならないなど、ふだんから姿勢を意識することも大切です。正しい姿勢を保つと全身の筋肉が使われるため、血行の改善につながります。

【食事】身体を温める食材を積極的に摂る

毎日の食事も、冷え対策の重要なポイントです。日々の献立に、身体を温める食材を積極的に摂り入れましょう。

分類 代表的な食材
香味野菜・薬味
  • ショウガ
  • ニンニク
  • ねぎ
  • しそ
根菜類
  • にんじん
  • れんこん
  • ごぼう
発酵食品
  • 味噌
  • 納豆
そのほか
  • 肉・魚などのタンパク質
  • ナッツ類
  • シナモン

上記のほかに、鉄分を補うレバーや小松菜なども、冷えの改善に効果が期待できます。

なお、身体全体のバランスの乱れをみる漢方医学では、冷えも治療の対象です。手足の冷えやしもやけには、血行を促して身体を温める「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」などの漢方薬が使用されます。体質や症状によって合う漢方薬は異なるため、気になる方は薬剤師に相談しましょう。

【入浴】自律神経を整える湯船でのリラックス法

末端冷え性の改善には、入浴も効果的です※2。38~40℃のぬるめのお湯に10分以上つかると、副交感神経が優位になり、全身の血管が広がります。ラベンダーやカモミールなどのアロマバスを取り入れたり、就寝前にノンカフェインのハーブティーを飲んだりしてリラックスするのも、手足の血流改善に役立ちます。

また、入浴は就寝の1〜2時間前に済ませておくとよいでしょう。入浴によって一時的に上がった身体の中心温度(深部体温)が、眠りにつくころに自然と下がっていきます。
この深部体温の低下がスムーズな入眠を促すため、「寝つきの悪さ」の解消にも効果的です。

自律神経を整えるためには、質のよい睡眠や規則正しい生活も大切です。無理のない範囲で、生活習慣を見直してみましょう。

※2 高血圧や心臓疾患がある方、ご高齢の方は、長湯やお湯の温度に注意してください。脱衣所と浴室の温度差を小さくし、飲酒後の入浴は避け、入浴前後は水分を摂りましょう。

なかなか改善しない冷えは病気が隠れている可能性も

セルフケアでも末端の冷えが改善しない場合や症状が強い場合は、病気が隠れている可能性があります。

  • 寒さや緊張で、指先が白→紫→赤と色が変化する
  • 片方の手足だけが冷たい(左右差がある)
  • 歩くとふくらはぎが痛み、休むと治まる
  • 指先に治りにくい傷や潰瘍(かいよう)がある
  • 強い痛みやしびれを伴う

このような症状や温めても改善がみられない場合は、早めに医療機関を受診してください。

末端冷え性の改善は生活の見直しから

末端冷え性は、放置すると肩こりや不眠、むくみ、月経に伴うトラブルなど、さまざまな不調につながる可能性があります。改善のためには、服装や運動、食事、入浴といった日常習慣の見直しが大切です。

また、漢方薬による改善も期待できます。冷えのタイプや体質は人によって異なるため、まずは自分に合った漢方薬を薬剤師に相談してみましょう。アイン薬局の公式アプリ「いつでもアイン薬局」には、薬局まで足を運ばなくても、薬剤師にチャットやビデオ通話で気軽に相談できる「安心お薬サポート」があります※3 ※4。

漢方薬の選び方や飲み合わせに疑問や不安がある場合は、ぜひご活用ください。

※3 ご利用には公式アプリにおいて「アイン薬局とつなぐ」のご登録が必要です。
※4 アプリやシステム利用料は無料ですが、ダウンロードやご利用時にかかる通信料は患者さまのご負担となります。

参考文献・資料

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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