鼻づまりで息が苦しい、夜も眠れない…、そんなつらい経験はありませんか?鼻づまりは日常生活にも影響する厄介な症状のため、原因を知って正しく対処することが大切です。原因や解消法を押さえ、毎日すっきり、快適に過ごしましょう。
鼻がつまる原因とは?
息苦しさや喋りにくさを引き起こす鼻づまりには、さまざまな原因があります。
鼻粘膜の炎症によるもの
鼻づまりの原因として多いのが、鼻の粘膜の炎症によるものです。かぜのウイルスや細菌などに感染したとき、鼻の中の粘膜に炎症が起こります。
粘膜が炎症を起こすと防御反応として血流が増え、粘膜が腫れます。その結果、鼻の中の空気の通り道が狭くなり鼻づまりを感じるのです。さらに、粘り気のある鼻水がたまると、これも鼻づまりの原因となります。

上気道感染症によるもの
鼻から肺へと続く空気の通り道を「気道」と言い、そのうち鼻から喉のあたり(声帯の手前)までを「上気道」と言います。
この上気道にあたる鼻や喉の粘膜が細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こして腫れ、鼻づまりを起こします。
上気道感染症の場合、鼻づまりだけでなく、熱や喉の痛み、せきなどほかの症状を伴うこともあります。特に空気が乾燥して寒くなる冬に流行し、鼻や喉の粘膜の機能を弱めます。
アレルギー性鼻炎によるもの
花粉やハウスダストなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が原因で、くしゃみや鼻水、鼻づまりの症状が出るのがアレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎には、ダニやホコリなどが原因で1年中症状がある「通年性アレルギー」と、スギやヒノキなどの花粉が飛んでいる時季のみに症状が出る「季節性アレルギー」があります。
アレルギーの強さは人によって異なり、鼻づまりの程度もさまざまです。症状が強いと、日常生活に支障をきたすこともあります。

乾燥や寒暖差によるもの
冬などの空気が乾燥しやすい時季は、鼻の粘膜が乾燥し粘膜の防御機能が弱くなります。ちょっとした刺激にも敏感になり、その刺激から粘膜を守ろうとして腫れることで鼻がつまりやすくなります。
また、春や秋など日中と朝晩の気温差が大きく急な温度変化が起こりやすい時季は、寒暖差で自律神経の働きが乱れて鼻づまりが起きやすくなります。そのほか、夏はエアコンが効いた屋内と、屋外との温度差が大きくなると鼻づまりが起こることがあります。
構造的・物理的な問題によるもの
鼻づまりは、以下のような鼻の構造そのものに原因がある場合もあります。
- 鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)
左右の鼻の穴を中央で分けている鼻中隔とよばれる壁が曲がっている - ポリープ(鼻たけ)
鼻の中にポリープができる - アデノイド肥大
鼻の奥にあるアデノイド(リンパ組織)が通常よりも大きくなりすぎてしまう
こういった症状があると、鼻の空気の流れが悪くなり、鼻づまりが長引く原因につながります。
また、その他の可能性として、副鼻腔炎や蓄膿症、薬剤性鼻炎などが原因の場合もあります。
【いますぐできる】鼻の通りを良くする6つの方法
鼻づまりはつらいものですが、症状をやわらげる方法もあります。
(1)鼻を温める
鼻のまわりを温めると、蒸気によって鼻水の粘度が下がったり、温かさで自律神経が整ったりすることで、鼻の通りがスムーズになることが期待できます。
その方法として、蒸しタオルを数分鼻にあてるのがおすすめです。水で濡らしたタオルを、電子レンジで30秒ほど加熱すると蒸しタオルが作れます。温度は、気持ち良いと感じる程度の温かさを目安にしましょう。ただし、熱すぎるとやけどの原因になるため、一度広げて温度を均一にし、手で熱さを確認してから鼻の上にのせてください。
また、温かい飲み物をゆっくり飲むのもおすすめです。飲み口から立ち上がる蒸気が鼻腔内を保湿し、リラックス効果も高まります。50〜60℃ほどの適温で飲むようにしましょう。お風呂にゆっくり浸かって蒸気を吸うだけでも、同様の効果が得られます。
(2) ツボを押す
小鼻(鼻の穴の左右外側に膨らんだ部分)の脇に「迎香(げいこう)」、両眉の間には「印堂(いんどう)」というツボがあります。これらのツボを押すと、一時的に鼻の通りが良くなることがあります。
- 迎香
両方の人差し指の腹でやさしく押します。
3秒ほど押して、6秒ほど離すという動作を1セットとして、3回ほど繰り返しましょう。気持ち良いと感じるくらいの優しい力で行ってください。 - 印堂
人差し指や中指の腹で、こちらも気持ち良いと感じるくらいの力でゆっくりと押してください。

(3)鼻腔拡張テープを貼る
鼻の外側に貼って鼻腔を拡げる鼻腔拡張テープは、呼吸をしやすくする効果があります。特に、寝る前に使うと寝苦しさをやわらげられます。
テープを貼る前には、洗顔などで皮脂や水分をしっかり拭き取り、肌をさらさらに整えておきましょう。皮脂が残っていると、テープがはがれやすくなる原因となります。貼るときは、小鼻の少し上を左右に引っ張るように貼るのがポイントです。
ただし、テープでかぶれることがあるため、鼻のまわりに傷や湿疹がある場合は使用を控え、肌の状態に注意しながら使いましょう。
(4)鼻うがいをする
鼻うがいは、鼻の中を洗って鼻水や花粉、ホコリを取り除く効果があります。鼻うがい用の薬や、ぬるま湯に塩を溶かした生理食塩水を使用し、片方の鼻の穴から注入し、もう片方の鼻の穴もしくは口から吐き出します。
市販の鼻うがい液を使用する場合は、説明書をよく読み、耳に流れ込まないように前かがみの姿勢で使用すると良いでしょう。
また、生理食塩水は水道水をそのまま使うと鼻の粘膜を傷つける恐れがあるため、注意が必要です。
(5)水分補給で鼻腔の粘膜をうるおす
身体の水分が不足すると、鼻の粘膜も乾燥して炎症を起こしやすくなり、鼻づまりの原因につながります。そのため、こまめな水分補給を心がけて水分不足を防ぎ、身体のうるおいを保つことが大切です。
ただし、水を飲むことで鼻づまりが解消されるわけではありません。日頃から意識して水分を摂り、鼻の粘膜の乾燥を防ぐ習慣を心がけることが大切です。

(6)喫煙・アルコールを控える
タバコの煙は鼻や喉の粘膜を刺激して炎症を起こし、鼻づまりが悪化する原因となります。また、アルコールを摂取しすぎると血流が良くなり、鼻の粘膜の腫れが悪化することがあります。
鼻の通りを良くするためには、喫煙を控え、アルコールは適量に留めましょう。

慢性的な鼻づまりは医療機関を受診
鼻づまりが数週間以上続く、あるいは何度も繰り返すときは、市販薬だけでは対応しきれないことがあります。耳鼻科で診察を受け、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン薬など、症状に合った処方薬を使用しましょう。
特に、以下のような症状がある際は別の病気が隠れている恐れがあるため、早めの受診をおすすめします。

- 鼻づまりだけでなく、頭痛や発熱を伴う
- 鼻血が繰り返し出る
- においを感じにくくなった
鼻の通りを良くするには、まず原因を理解しよう
鼻づまりの原因は、かぜやアレルギー、乾燥などさまざまな原因があります。鼻の通りを良くするためには、なぜ鼻がつまっているのかを知ることが大切です。一時的な鼻づまりであれば、セルフケアで良くなる場合もあります。
一方で、長く続いたり繰り返したりする場合は、早めに耳鼻科を受診することが改善の近道です。
鼻づまりの原因を理解し、適切な対応で改善していきましょう。
参考文献・資料
記事監修
野原 弘義
精神科医/産業医
2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。







