花粉症は自然に治る?症状がやわらぐ方法と生活改善のポイント

花粉症は、免疫機能が関係しており、自然に治りにくいとされています。そのため、症状をやわらげるには、花粉を取り込まないための予防や対策、発症後の治療が重要です。

今回は、花粉症が自然に治りにくい理由や、症状をやわらげるための対策について詳しく解説します。

花粉症が自然に治らない理由

花粉症は、これまでの調査で自然に治りにくいとされています。なぜなら、花粉症を発症するメカニズムに関係があるためです。

花粉症の発症には、身体にもともと備わっている異物を排除するための免疫機能が関係しています。本来花粉は、細菌やウイルスなどと違い病原性はありません。しかし、花粉が体内に入ると免疫機能が働き、花粉を異物と認識して抗体をつくり、次に花粉が入ったときに排除するための準備を整えます。

その後再び花粉が体内に入ると、炎症を起こすさまざまな物質が放出され、鼻水やくしゃみなどの症状が現れます。

個人差はありますが、花粉の飛散量が少ない場合や加齢によって免疫機能が低下すると、症状が出にくくなるケースはあるようです。しかし、花粉に対する抗体が体内に存在している限り、花粉に再び反応する可能性があるため、自然に治ることは期待できないのです。

花粉症を発症する方は年々増えており、まだ発症していない方も、花粉を身体に入れないための対策や適切な治療が大切です。

花粉症の予防はできる?

花粉症の予防で最も大切なのは、花粉の飛散情報を積極的に集めることです。

本格的な花粉シーズンに入る前から、花粉が飛びはじめる時季や量などの情報をチェックしておきましょう。

例えば、日本気象協会では、第1報として例年9月下旬~10月上旬に翌年春に向けた飛散予測を発表しています。また、花粉が飛散する時季になると、ニュースや天気予報などでも取り上げられることが多くなります。

花粉が多いと予測された日は、外出時にマスクやメガネを身に着けるようにしましょう。さらに、花粉が多く飛ぶ日・時間帯にも注意して、外出を控えることや時間をずらすことも大切です。

  •  花粉が多く飛ぶ日
    ・晴れて気温が高い日
    ・雨上がりの晴れた日
    ・空気が乾燥して風が強い日
  • 花粉が多く飛ぶ時間帯
    ・お昼前後
    ・日没前後(夕方)

症状をやわらげるためにできること

花粉症の発症後でも、症状をやわらげるためにできる対策をご紹介します。

マスクやメガネで花粉をブロックする

外出時のマスクやメガネは、身体に取り込まれる花粉の量を減らす効果が認められています。

マスクは、花粉を通しにくい不織布製の顔に合ったサイズを選び、顎までしっかりと覆いましょう。ワイヤーで鼻に沿わせるなど、鼻や頬の間にすき間ができないように正しく着用することが大切です。市販のマスクでも花粉の量は約1/3~1/6まで減らすことができるとされています。

またメガネも効果的で、一般的なものでは約40%、防御カバーのある花粉対策用メガネでは約65%も目に入る花粉の量を減らせるといわれています。

アレルギー検査をする

花粉が飛散する時季に鼻や目に症状が出た場合は、医療機関でアレルギー検査を受けることをおすすめします。原因を明らかにすることで、適切な治療や対策ができ、症状をやわらげることが期待できます。

花粉症の検査は、耳鼻科やアレルギー科のほか、内科でも可能な場合があるので相談してみましょう。症状が出ているときに検査を行うと、花粉の種類を特定しやすくなります。

アレルギー検査には、花粉特有の抗体量を調べる血液検査、鼻水の中の好酸球(こうさんきゅう)の有無を調べる検査、皮膚や鼻粘膜にアレルギーの原因物質を塗布して反応を見る検査などがあります。

なお、花粉が飛散していない時季や症状がない場合は、正しい結果が得られないこともあるので注意が必要です。

※好酸球:体内に存在する白血球の一種であり、主にアレルギー反応や寄生虫感染に対する防御で重要な役割を果たす免疫細胞

症状に合った薬を使用する

アレルギー検査の結果に応じて、適切な薬を使用することが症状の改善に効果的です。花粉症の飲み薬には、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、目のかゆみなどの症状をやわらげる薬や、花粉症の原因であるアレルギー反応を抑える薬があり、これらの薬を併用する場合もあります。

また、初期療法と呼ばれる治療法もあります。花粉の飛散予測に基づき、花粉が飛びはじめる前からアレルギー反応を抑える飲み薬や鼻に噴霧するステロイド薬を使用する方法です。発症を遅らせたり、症状を軽くしたり、症状の長期化を防ぐことができます。

花粉症と上手に付き合おう

花粉症は、身体に備わった免疫機能が花粉を異物と認識して発症するアレルギーであり、一度発症すると自然治癒は難しいとされています。花粉症の症状は、睡眠や仕事など日常生活にも影響を及ぼすため、適切な治療で重症化を防ぐことが重要です。

毎年憂鬱になりがちな花粉症ですが、予防・対策と適切な治療を行い、上手に付き合っていきましょう。

参考文献・資料

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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