薬剤師監修!赤ちゃん・子どもへの粉薬の飲ませ方完全ガイド

「子どもが粉薬を嫌がって吐き出してしまう」「粉薬の正しい飲ませ方がわからない」とお悩みの方は少なくありません。特に粉薬は苦手なお子さまも多く、なかなか飲んでくれずに、親子ともにストレスを感じることもあるでしょう。

今回は、正しい粉薬の飲ませ方や、混ぜても良い飲み物や食べ物について解説します。

赤ちゃんや子どもへの正しい粉薬の飲ませ方

粉薬をそのままの状態でお子さまの口に入れると、薬が喉に張り付いてむせてしまう恐れがあります。そのまま服用できるのであれば問題ありませんが、難しい場合は年齢や薬の量に合わせてあらかじめ服用しやすいように工夫してあげると良いでしょう。
まずは、水や湯冷ましでの基本の服用方法から解説します。

乳児(1歳未満)の場合

1歳未満のお子さまには、少量の水で粉薬を練り、ペースト状にする方法がおすすめです。

まず、手指をきれいに洗い、清潔な小皿の上で粉薬に1~2滴の水を加えて練り合わせます。次に、耳たぶほどの固さのペースト状にした薬を指先に乗せ、お子さまの上あごや頬の内側に塗り付けてください。
塗り付ける際は、舌先や喉の奥に、薬や指が触れないよう注意してください。舌先は苦みを強く感じやすく、喉の奥は強くえづいたり薬が詰まったりする恐れがあります。上あごや頬の内側の手前側に塗るのがポイントです。

薬を塗りつけたあとは、すぐに水や湯冷まし、母乳などを飲ませて口の中に薬が残らないように流し込みます。

幼児(1~6歳)の場合

1~6歳の幼児期は、スプーン1杯程度の少量の水や湯冷ましで粉薬を溶かして服用させると良いでしょう。コップ1杯の水に混ぜてしまうと、すべて飲み切るのが大変になるだけでなく、苦い薬を口に含んでいる時間が長くなってしまいます。

薬を飲ませたあと、口の中に残った薬のざらつきや味を軽減するために、追加で水や湯冷ましを飲ませてください。なお、大人と同じように粉薬を服用できる場合は、無理に溶かして飲ませる必要はありません。

粉薬と混ぜても良い食べ物や飲み物

粉薬を水だけで飲ませることが難しい場合は、味が濃い、あるいは冷たい食べ物や飲み物に混ぜるのもおすすめです。

  • おすすめの食べ物:アイスクリーム、プリン、練乳、ジャム
  • おすすめの飲み物:ココア、少量のジュース※1

※1 一部粉薬と混ぜてはいけないジュースもあります。

特に冷たいアイスクリームは、冷たさによって味覚を一時的に鈍らせる働きがあり、独特の苦みがある薬などが飲みやすくなります。
また、練乳やジャムなどは、粉薬の粉っぽさを包み込み、喉越しが良くなるのが特徴です。

なお、薬を食べ物や飲み物に混ぜる際は、必ず「一口で食べ切れる量」「飲み切れる量」にしてください。量が多いと、途中で満腹になったり味に飽きたりして、薬を飲み切れない恐れがあります。

代表的な粉薬と相性の良い食べ物・飲み物

※横にスクロールできます。

症状・分類 薬の名前 薬の味 相性の良い食べ物・飲み物※3
ねつ カロナール細粒® 甘さを感じたあと、苦み 牛乳、アイスクリーム※2
たん ムコダインドライシロップ® 甘酸っぱい リンゴジュース、オレンジジュース
せき アスベリンドライシロップ® 甘い プリン、乳酸菌飲料
喘息(ぜんそく) シングレア細粒® わずかに甘い 牛乳、アイスクリーム※2
抗生物質 クラリスドライシロップ® 強い苦み ココア、プリン、牛乳、アイスクリーム※2

※2 柑橘系は避けてください。
※3 通院中や治療中の疾患がある場合、ジュースや乳酸菌飲料などが適さないことがあります。必ず事前に医師や薬剤師へ相談しましょう。
※4 薬の名前は薬袋や「おくすり説明文書」でご確認ください。
※5 薬の香りや味はメーカーにより異なることがあるので、詳細は薬剤師にご相談ください。

粉薬と混ぜてはいけない食べ物や飲み物

粉薬の中には、特定の食べ物や飲み物と混ぜることで、かえって苦みが増してしまったり、薬の効果が弱まってしまったりするものがあります。逆効果とならないよう、避けるべき組み合わせを事前に把握しておくことも大切です。

  • 柑橘系ジュース・スポーツドリンク
    抗生物質(マクロライド系)など、薬によっては酸味と反応して苦くなる場合がある。
  • 主食(ミルク・ご飯・おかゆ)
    混ぜた味を嫌いになり、ミルクやご飯を食べなくなる恐れがある。
  • ハチミツ
    1歳未満の乳児は「乳児ボツリヌス症」のリスクがあるため、絶対に使用しない。
  • ヨーグルト・牛乳
    テトラサイクリン系の抗生物質と混ぜると、薬の効果が低下する可能性がある。
  • リンゴジュース・オレンジジュース
    一部の抗アレルギー薬の吸収が阻害され、効果が低下する可能性がある。

このように、安全性と味の変化の両面から、混ぜてはいけないものを正しく理解しておく必要があります。

年齢別の飲ませ方のポイント

粉薬を上手に飲ませるためには、服用のタイミングや保護者自身の心構えも重要です。機嫌が悪かったり、無理やり飲ませようとして恐怖心を与えてしまうと、一気に難しくなります。

お子さまの状況を見極めて、適切なアプローチで、親子ともにストレスを感じない服薬習慣を身に付けましょう。

【1歳未満】授乳のタイミングを工夫する

1歳未満のお子さまは満腹の状態だと新しい味や異物を受け付けないことが多いため、授乳直前の空腹時に薬を飲ませて、飲んだあとのご褒美として母乳やミルクを与えるのも効果的です。授乳によって口の中に残った薬の味も軽減され、不快感を抑えられます。

【1~3歳】好きなものに混ぜる方法を試す

1~3歳ごろは自我が芽生え、イヤイヤ期がはじまる時期です。この時期に薬を無理強いすると、薬そのものに対して強い拒絶反応を示しやすくなります。子どもの好きなものに薬を混ぜて、味を隠す方法を活用しましょう。

また、この時期は動機づけも効果があります。「お薬を飲んだら、あとで一緒に好きな動画を観ようね」といった約束をすることで、子どもが「飲んでみよう」と思えるきっかけを作ってあげてください。

【3~6歳】​​薬を飲むことの大切さを伝える

言葉の理解が進む3~6歳ごろのお子さまに対しては、単に味をごまかして飲ませるだけでなく、薬を飲む理由を丁寧に説明して本人なりの納得感を引き出すことが大切です。

具体的には、「おなかの中にいるバイ菌をやっつけて、早く元気になるためにこのお薬を飲もうね」などわかりやすい理由を伝えてみてください。無事に服用できたときには、「かっこいいよ!」「頑張って飲めたね!」と最大限に褒めてあげることが、次回への自信にもつながります。

こんなときはどうする?粉薬のトラブルQ&A

粉薬を飲ませる際に起こりやすいトラブルと、その対処法をあらかじめ把握しておくことで、いざという時にも落ち着いて対応できます。

飲んですぐに吐いてしまったらどうすればいい?

粉薬を飲んだ直後に吐いてしまった場合は、「服用してからどれくらいの時間が経過したか」を確認してください。

30分以内に飲んだ薬がほぼすべて吐き出された場合は、落ち着いてからもう一度、1回分を飲ませてください。このとき、すぐに飲ませようとすると再び吐いてしまう可能性があるので注意しましょう。

一方、飲んでから30分以上が経過している場合や、吐いた量が正確にわからない場合は、もう一度飲ませることはせず、次の服用タイミングまで様子を見ましょう。何度も吐いてしまうときは、自己判断で薬を飲ませることは避け、医師や薬剤師に相談しましょう。

1回分を飲み切れなかった場合の対処法は?

1回分を飲み切れなかった場合は、余った分をあとで飲ませたり、次の分とまとめたりすることは避けてください。
過剰投与につながる恐れや、時間が経った飲み残しは雑菌が繁殖しやすく、成分も変化して十分な効果が得られない可能性があります。

飲み残しがあっても「今回飲めた分だけで良し」とし、無理に最後まで服用させようとせずに切り上げてください。

毎回薬を残してしまう場合は、混ぜる食品の量を減らして一口で済むような工夫や、薬の種類や剤形が変更できないかを医師や薬剤師に相談しましょう。

飲ませ方に悩んだ場合は薬剤師に相談してみよう

子どもがどうしても粉薬を飲んでくれない、薬を見ただけで嫌がってしまうという状況が続くと、心身ともに疲れてしまうものです。

お子さまの服用でお困りの際は、薬局で薬剤師にご相談ください。「別の剤型に変更できないか」といった具体的な提案も可能です。その際、服用できなかった理由(味への苦手意識や量の多さなど)をお薬手帳に控えておくと、スムーズに相談が進みます。

公式アプリ「いつでもアイン薬局」の「お薬手帳」なら、スマートフォンで薬の管理ができ、いつでも持ち歩けるため便利です。
処方薬だけでなく、市販薬や健康食品なども登録可能。服薬アラーム付きなので、薬の飲み忘れも防止できます。

さらに「安心お薬サポート」を使用すれば、チャットやビデオ通話で薬についての疑問や飲み合わせ・食べ合わせの不安を気軽に薬剤師に相談することができます※6

※6 ご利用には「アイン薬局とつなぐ」のご登録が必要です。

参考文献・資料

記事監修

石黒 貴子

薬剤師/薬剤師歴27年

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