薬剤師監修!赤ちゃんや子どもにシロップ剤を上手に飲ませるコツ

甘くて飲みやすいシロップ剤は、小さなお子さまに多く処方される薬です。しかし、月齢や使用する道具によって、飲ませるコツが異なります。

今回は、シロップ剤の基本的な飲ませ方に加え、保管方法や余った薬の処分方法についても解説します。
小さなお子さまにシロップ剤をはじめて飲ませる方や、なかなか飲んでくれずお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

赤ちゃんや子どもにシロップ剤を飲ませる際のポイント

シロップ剤を正しく服用するために、まずは基本的なポイントを押さえておきましょう。

優しく上下に振る

シロップ剤は、容器の底に成分がたまりやすい性質があります。服用する前には必ず容器を振って、薬の成分を均一にしましょう。
ただし、激しく振ると泡が立ち、正確な量を量れなくなるため、容器を優しく上下に何度か返して混ぜます。混ぜたあと、「色が均一になっているか」「塊が残っていないか」を確認してください。

泡立ってしまった場合は、少し時間をおいて泡が消えてから正確に量って飲ませましょう。

容器から直接飲ませない

容器に直接口をつけてシロップ剤を飲ませるのは、衛生面と安全面から避けてください。
ボトルに唾液が混入すると雑菌が繁殖し、薬が変質する恐れがあります。また、正確な量を服用できず、過量・過少投与のリスクも伴います。

必ずスポイトや計量カップで1回量を量って飲ませましょう。

使った道具は洗って乾燥させる

シロップ剤は糖分を多く含んでいるため、使った道具の保存状態によってはカビが繁殖しやすくなります。

使ったスポイトや軽量カップはすぐ洗い、清潔な場所で乾かしてください。スポイトが洗いにくい場合は、清潔な水やぬるま湯を何度か吸ったり出したりして中をすすぎましょう。洗ったあとは清潔な場所でしっかり乾かしましょう。

シロップ剤を上手に飲ませるには?

シロップ剤は、哺乳瓶やスポイト、スプーン、付属のカップなどで飲ませるのが一般的です。
ここでは、シロップ剤の基本的な飲ませ方と上手に飲ませるコツを解説します。

哺乳瓶を使う(生後1か月未満~)

ミルクや搾乳で哺乳瓶に慣れている場合、授乳口(乳首の部分)で飲ませる方法があります。いつも使っている哺乳瓶と同じ感覚で吸えるため、嫌がらずに薬を飲んでくれるケースも少なくありません。
ただし、衛生面の観点からふだんとは別の授乳口の用意が必要です。

  1. シロップ剤を量り取る。
  2. 授乳口に1回分のシロップ剤を入れて吸わせる。
  3. 水か湯冷ましを飲ませて口の中に残った薬を流す。

ふだんの授乳とは別の授乳口を用意することで、授乳を嫌がるリスクを減らせます。ただし、無理に飲ませると哺乳瓶自体を嫌いになる恐れがあるため、嫌がった場合は、別の方法で飲ませましょう。

なお、吸うのに時間がかかる場合、授乳口の穴が少し広いものに変えるとスムーズに飲めることもあります。

スポイトを使う(生後1か月未満~)

スポイトは、一度に口に入れる量を調整しやすく、飲みこぼしを少なくできます。口の内側に直接薬を入れられるため、吸う力が弱い、薬を嫌がるなどの場合にもおすすめです。

  1. シロップ剤を量り、スポイトで吸う。
  2. お子さまを抱っこして、優しく頭を固定する。
  3. スポイトを口の端から差し込む。
  4. 頬の内側に沿わせるように少しずつ薬を垂らして飲ませる。
  5. 水か湯冷ましで口の中の薬を流す。

喉の奥へシロップ剤を直接流し込むと、むせたり気管に入ったりする危険があるため、頬の内側に流すようにします。飲み込むタイミングを見ながら、少しずつ飲ませてあげてください。

使用するスポイトは、先が丸くなっているものや、喉の奥まで入らないように工夫されているストッパー付きのものがおすすめです。必要な場合は、調剤薬局やベビー用品店に取り扱いの有無を問い合わせると良いでしょう。
アイン薬局ではスポイトのご提供もしておりますので、必要な際はぜひお気軽に薬剤師にご相談ください。

スプーンを使う(生後6か月~)

離乳食が始まってスプーンに慣れてきたら、スープと同じイメージでシロップ剤を飲ませることもできます。

  1. 量ったシロップ剤をスプーンにのせる。
  2. スプーンをお子さまの口元(下唇)にそっと当て、少しずつ口の中に流し込む。
  3. 水か湯冷ましを飲ませて口の中に残った薬を流す。

スプーンを口の奥に入れすぎたり、入れる量が多すぎたりすると、えずいてしまうことがあります。スプーンを入れる深さや、ひと口あたりの量に注意しましょう。
専用のスプーンも販売されていますが、ふだん使い慣れているものでも問題ありません。

食品に混ぜる(生後6か月~)

パンやカステラ、ドーナツなどにシロップ剤を染み込ませて食べさせる方法もあります。ただし、1歳未満にはボツリヌス症のリスクがあるため、混ぜる食品の原材料は必ず確認し、はちみつを含む食品は避けてください。何かに混ぜる際は、飲ませる直前に1回分を食べ切れる、飲み切れる量に混ぜるようにしましょう。

冷やしたりアイスクリームに垂らす(1歳~) 

シロップの甘みや風味が苦手な場合は、飲む直前まで冷蔵庫で冷やしておくのがおすすめです。薬やスプーンを冷やすことで、口の中で甘みや風味を感じにくくなり、飲みやすくなります(生後6か月ごろ~)。

また、1歳を過ぎたお子さまであれば、アイスクリームに少量のシロップ剤を垂らして食べさせる方法も有効です。薬を凍らせたり何かと混ぜたりする場合は、事前に薬剤師に相談すると安心です。

付属のカップや小さめのコップを使う(1歳~)

コップ飲みができるようになったら、シロップに付属するカップや自宅にある小さめのコップなどを使用し、自分で飲ませる方法もおすすめです。「自分でできた!」という達成感を促せるため、薬に対する子どもの前向きな気持ちが育ちやすくなります。

  1. 量ったシロップ剤を、カップや小さめのコップに入れる。
  2. カップを持って飲ませる。
  3. 水か湯冷ましで口の中に残った薬を流す。

甘みやとろみが強くて飲みにくい場合は、飲み切れる量の水か湯冷ましで薄めても良いでしょう。

シロップ剤の保管について

シロップ剤を安全に服用するには、適切に保管することも重要です。

基本は冷蔵庫で保管する

シロップ剤は、冷蔵庫で保管しましょう。糖分が多く、室温だと雑菌が繁殖しやすいためです。また、冷やすと独特の風味を感じにくくなり、服用しやすくなります。

保管の際は、冷気の吹き出し口近くは避け、ドアポケットやたまごケースの辺りに入れると良いでしょう。冷蔵庫に戻し忘れてテーブルなどに置いたままだと、ジュースと間違えてお子さまが飲んでしまう恐れもあるため、服用後はすぐに片付けることも大切です。

ただし、1回分ずつに個包装されている薬などは、常温保存と指示される場合もあります。どのシロップ剤も、薬の説明書や薬剤師の指示に従って保管しましょう。

使用期限を守り、余った薬は処分する

「症状が回復した」「熱が高いときだけの服用指示だった」などの理由で薬が余っても、自己判断でとっておくのは避けましょう。

  • 処方薬の場合
    医師の処方によるシロップ剤は、その時の体調や体重に合わせて成分を調整したり、飲みやすくするために水や甘味料で希釈していたりすることがあります。特に水を混ぜている場合は保存剤の効果が薄れ、非常に傷みやすくなっています。処方された日数を過ぎた薬は、安全のため必ず処分してください。
  • 市販薬の場合
    市販のシロップ剤は、製品ごとに定められた「開封後の使用期限」を守ることが重要です。期限を過ぎたものや、一度でも容器の口に直接触れたものは雑菌が繁殖している可能性があるため、使用せず処分しましょう。

こんなときはどうすれば良い?シロップ剤のトラブルQ&A

シロップ剤を使っていると、「吐いてしまった」「飲み切れなかった」など戸惑う場面があり、判断に悩みやすいケースは意外と少なくありません。

吐いてしまった場合、もう一度飲ませても良い?

もう一度飲ませるべきかは、シロップ剤を吐いたタイミングや量によって異なります。
服用後すぐに全量を吐いてしまった場合は、もう一度飲ませましょう。吐いてしまった直後は、少し落ち着いてから服用させるようにします。

服用後30分以上経っている場合や、吐いた量がわからない場合は、再度飲ませずに様子をみましょう。

1回分を飲み切れなかった場合はどうする?

余った薬が少量なら、無理に服用させずに様子をみて、飲み切れなかった分は処分しましょう。また、余った分を次の服用のタイミングで多く飲ませることは、過剰投与につながる恐れがあるため避けてください。
せきや鼻水などの薬は、食後の服用でなくても良いものも多くあります。授乳やミルクの前は、おなかが空いているため上手に飲ませることができます。
飲み切れないことが多い場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。

兄弟姉妹の薬を代用しても良い?

処方薬は、本人の体調や体重に合わせて種類や量が調節されているため、兄弟姉妹のを代用することはできません。見た目の症状が似ていても、一人ひとり薬が違うケースもよくあります。必ず病院を受診し、医師の診察を受けたうえで、本人に処方された薬を飲むようにしましょう。

複数のシロップを同時に混ぜて飲ませても良い?

別々に処方されたシロップ剤を混ぜて良いかは、薬剤師に確認しましょう。シロップ剤には、混ぜると濁ったり成分が沈みやすくなったりする組み合わせがあるため、あえて容器を分けている場合があるためです。

また、混ぜて良いと確認が取れた場合でも、必ず服用する直前に混ぜてすぐ飲ませるようにしましょう。

赤ちゃんや子どもにシロップ剤を飲ませるときは焦らず工夫してみよう

シロップ剤は、哺乳瓶やスポイトなど、さまざまな方法で服用できる薬です。ただし、月齢や好みによってスムーズに飲める方法は異なります。お子さまの様子を見ながら、上手に服用できる方法を焦らずに探してみましょう。

また、どうしても飲んでくれない、吐き出してしまうなどの場合は、薬の種類や服用できなかった理由(味が嫌だった・量が多くてつらそうだったなど)をお薬手帳にメモして、医師や薬剤師に相談しましょう。お薬手帳への記載は、今後の診察や薬の処方を調整する際、貴重な情報になります。

公式アプリ「いつでもアイン薬局」の「お薬手帳」なら、スマートフォンで薬の管理ができ、いつでも持ち歩けるため便利です。
処方薬だけでなく、市販薬や健康食品なども登録可能。服薬アラーム付きなので、薬の飲み忘れも防止できます。

さらに「安心お薬サポート」を使用すれば、チャットやビデオ通話で薬についての疑問や飲み合わせ・食べ合わせの不安を気軽に薬剤師に相談することができます

※ ご利用には「アイン薬局とつなぐ」のご登録が必要です。

参考文献・資料

記事監修

石黒 貴子

薬剤師/薬剤師歴27年

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