調剤薬局で支払う金額はなぜ違う?その理由と医療費管理のポイント

調剤薬局では、同じ薬でも支払う金額が違うことがあります。実は、薬局ごとに設定されている調剤基本料という点数が関係しています。今回は、その仕組みをわかりやすく解説し、上手に医療費を管理するポイントをご紹介します。

調剤薬局ごとに薬の値段が違う理由

同じ薬でも、薬局によって支払う金額が違うことがあります。

薬局では、薬の代金のほかに調剤基本料と呼ばれる「点数」が付けられています。この点数は、薬局で受ける医療サービスや支払う金額を計算するために決められた単位で、1点=10円で計算されます。

調剤基本料の点数が高いほど、患者さまが窓口で支払う金額が高くなります。この点数に差が設けられているのは、患者さまがいつでも気軽に健康相談ができる「かかりつけ薬局」を増やし、薬局が担うべき役割や機能に応じて、適切な評価を行うためです。

ここでは、なぜ支払う金額が違うのかを、わかりやすく解説します。

薬局の立地による違い

薬局と調剤基本料の種類は、薬局の立地や規模などによって異なります。

薬局の種類と調剤基本料
主な薬局のイメージ 基本料の種類 点数
特定の医療機関が近くにない薬局や
個人が経営する薬局
特定の医療機関が近くにない薬局や
個人が経営する薬局
調剤基本料1 調剤基本料1 45点
病院やクリニックのすぐ隣や
目の前の薬局
病院やクリニックのすぐ隣や
目の前の薬局
調剤基本料2 調剤基本料2 29点
チェーンの薬局
(何店舗もある系列薬局)
チェーンの薬局
(何店舗もある系列薬局)
調剤基本料3
(イ/ロ/ハ)※1
調剤基本料3
(イ/ロ/ハ)※1
24/19/35点
病院やクリニックと
同じ敷地内にある薬局
病院やクリニックと
同じ敷地内にある薬局
特別調剤基本料A 特別調剤基本料A 5点

*1点=10円
※1   調剤基本料3の詳細はこちら
参考:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】」

病院やクリニックと同じ敷地内にある薬局は「敷地内薬局」や「門内薬局」、すぐ隣や目の前にある薬局は「門前薬局」と呼ばれ、調剤基本料は低めに設定されています。

一方、特定の医療機関が近くにない薬局は「面対応薬局」や「一般薬局」と呼ばれます。これらの薬局は、さまざまな医療機関の処方箋を受けており、調剤基本料が高めに設定されています。

処方箋の受付枚数や薬局の規模

薬局で支払う金額には、その薬局がどのくらい処方箋を受け付けているか、どの医療機関から多く処方箋を受け付けているかも関係します。

例えば、特定の医療機関からの処方箋を多く受け付けており、さらに全体の受付枚数も多い薬局は、調剤基本料が低く設定されています。

一方で、さまざまな医療機関の処方箋を受け付ける薬局は、調剤基本料が高い傾向にあります。

また、薬局を運営する会社の規模も支払う金額に影響します。そのため、何店舗も系列薬局がある大手チェーン薬局は、調剤基本料が低めに設定されています。

医療DX対応による違い

また、薬局が「医療DX推進体制整備加算」を算定しているかどうかによって、窓口で支払う金額が変わることがあります

この加算は、オンライン資格確認や電子処方箋の導入といった「医療のデジタル化(医療DX)」を推進し、患者さまの医療情報を正確に把握することで、より質の高い医療サービスを提供できる体制を評価するものです。

こうした体制を整えた薬局では、月に1回に限り点数が加算されます。一方で、この体制が整っていない薬局では加算がないため、その分お支払額が少し安くなるという仕組みになっています。

賢く医療費を管理する3つのポイント

薬局ごとに支払う金額の違いを見てきましたが、実はちょっとした工夫で医療費を抑えることができます。

ここでは、すぐにできる3つのポイントをご紹介します。

お薬手帳を持って行く

3か月以内に同じ薬局でお薬手帳を提示すると、薬局での窓口負担が軽減されます。これは、継続的な利用により「服薬管理指導料」の点数が低く設定されるためです。

お薬手帳は、これまでに処方された薬の名前や量、飲み方などがすぐわかる大切な手帳です。医療機関や薬局が違っても、薬の情報がひと目でわかるため、飲み合わせや薬の重複を確認し、安全性をより高めることができます。

薬を受け取る薬局をひとつに決めて、かかりつけ薬局をつくることもおすすめです。複数の医療機関にかかっていても、同じ薬局を利用すれば薬剤師に薬の飲み合わせや量を総合的にチェックしてもらえます。つまり、費用を抑えながら安心して治療を受けることができるのです。

お薬手帳は、紙の手帳だけでなくスマートフォンのアプリから利用できる電子版お薬手帳もあります。どちらのタイプであっても、お薬手帳を持つとさまざまなメリットがあります。

ジェネリック医薬品に変更する

処方された薬をジェネリック医薬品(後発医薬品)に変更することで、費用を抑えることができます。

ジェネリック医薬品は、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を用いて作られた薬です。国の厳しい試験をクリアし、新薬と同等の効果と安全性が認められています。 すでに有効性が確立された成分を利用するため、開発費用を抑えることができ、その分薬の値段も安く設定されています。

特に、複数の薬を併用されている方や、長期の服用が必要な方にとっては、より大きな負担軽減を実感いただけます。ジェネリック医薬品へ変更を希望する場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。処方箋の「変更不可」欄にチェックがなければ、ジェネリック医薬品への変更が可能です。

逆に、先発医薬品を希望する場合、「選定療養」という制度の対象となります。選定療養とは、ジェネリック医薬品がある薬で先発医薬品を希望した場合、その薬の差額の4分の1と、その消費税分を患者さまに「特別の料金」としてご負担いただく制度です。ジェネリック医薬品にすることで追加の料金が不要となり、支払う金額を抑えることができます。

処方箋の受付時間に注意する

薬を受け取る時間によっても、支払う金額が変わる場合があります。夜間や休日・祝日に薬を受け取ると「時間外加算」という追加費用が発生します。一方、日中の受付時間内に受け取れば、この加算はかかりません。

もちろん、急な体調不良の際は迷わず利用すべきですが、もしお急ぎでない場合は、通常の受付時間内に受け取ることで、追加費用を抑えることができます。

調剤薬局ごとの値段の違いを知って医療費を上手に管理しよう

同じ薬でも、薬局の場所や規模、サービス内容、受付時間などによって窓口負担が変わることがあります。こうした違いは、各薬局の役割や機能に応じて国が定めたルールに基づいているため、薬局によって支払額に差が生じる仕組みになっています。

こうした仕組みを理解した上で、「お薬手帳を持参する」「ジェネリック医薬品を選択する」「通常の営業時間内に受け取る」といった工夫を心がけてみましょう。日々の小さな積み重ねが、医療費を上手に抑えながら安心して薬を受け取ることにもつながります。

公式アプリ「いつでもアイン薬局」の「お薬手帳」なら、スマートフォンで薬の管理ができ、いつでも持ち歩けるため便利です。

処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントも登録可能。服薬アラーム付きなので、薬の飲み忘れも防止できます。

参考文献・資料

記事監修

石黒 貴子

薬剤師/薬剤師歴26年

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