女性ホルモンが配合された錠剤であるピルは、主として月経トラブル、婦人科疾患の治療、避妊などの目的で使われています。
先進諸国と比べて日本では服用率が低いうえ、「避妊薬」としてのイメージが強いですが、ほかにもさまざまな効果があります。
ピルは正しい服用方法で飲む必要があるほか、副作用のリスクが高い人がピルを使用してしまう懸念があるため、市販薬はありません。
ピルの種類と効能・効果
ピルとは、卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲステロン）という2種類の女性ホルモンを含む薬です。
ピルを服用すると体内の女性ホルモンが妊娠した状態に近くなり、排卵が起こらないことで避妊効果が得られるほか、月経前症候群（PMS）や肌荒れなど月経にまつわるトラブルの緩和も期待できます。
ピルを服用すると体内の女性ホルモンが妊娠した状態に近くなり、排卵が起こらないことで避妊効果が得られるほか、月経前症候群（PMS）や肌荒れなど月経にまつわるトラブルの緩和も期待できます。
ピルは次の4種類に大別され、それぞれ使用目的が異なるので、処方を受ける際は医師とよく相談してください。
- 超低用量ピル
月経困難症や子宮内膜症の治療などを中心に使用される - 低用量ピル
上記のほか、避妊や月経前症候群（PMS）の軽減目的でも多く使用される - 中用量ピル
生理不順、過多月経、月経困難症などの治療や生理日の調整に使用される - アフターピル
黄体ホルモンを主成分とする薬で、性交後の緊急避妊薬として使用される
ピルの副作用
ピルの副作用の中でも特に注意が必要な副作用が「血栓症」です。
血栓症とは、血液が固まることで血流が止まり、さまざまな臓器障害を引き起こす病気です。
年齢や喫煙習慣の有無などから血栓症のリスクが高いと判断された人は、ピルを服用できません。
そのほかの副作用として、不正出血、吐き気、頭痛、むくみ、乳房の張りなどが起こることもあります。
特に、飲みはじめの段階で一時的に起こりやすいとされています。
服用時の注意点
ピルの購入には医師の処方箋が必要で、ドラッグストアなどでは購入することができません。
また、ピルには服用ルールがあり、毎日飲み続けるタイプと、月に数日間の休薬期間があるタイプがあります。
いずれも、飲み忘れると期待した効能・効果が得られない可能性もあるため、「服薬時間を決める」「ピルを飲む時間にアラームを設定する」など習慣化の工夫が必要です。
飲み忘れた際の対応は種類によっても異なりますが、特に連続して3日以上忘れた場合は新しいシートからやり直す必要が出てくることもあるため、医師や薬剤師に確認してください。
