「前に処方された薬、まだ使える?」「余った薬を捨てるのはもったいない」と、手元に余った処方薬の扱いに迷った経験はありませんか?実は、処方薬には使用期限があり、期限切れや保管方法の不備によって、十分な効果が得られないだけでなく、健康被害を招くリスクがあります。
今回は、処方薬の使用期限や期限が切れた薬のリスク、正しい保管方法について解説します。
目次
処方薬の使用期限とは?
処方薬の使用期限は、「医師から指示された服用期間(使用期間)」のことを指します。
処方薬は、医師の診断のもと発行される処方箋の内容に基づいて、必要な分量・日数で調剤される薬です。内服薬(錠剤やカプセル)であれば、指定の服用期間内(数日~数か月)に飲み切ることが前提となります。
これに関連して、服用のタイミングが同じ薬を1回分ずつ袋にまとめる「一包化」された薬は、特に注意が必要です。これらは薬を保護するシートから取り出された状態であるため、湿気や光の影響を受けやすく、通常よりも品質が変わりやすくなっています。そのため、一包化された薬は必ず処方された期間内に飲み切るようにしてください。

また、点眼薬や塗り薬などの外用薬、内服液、シロップ剤などは、開封した瞬間から空気中の雑菌などに触れるため、薬の安定性が損なわれはじめます。そのため、開封後は特に使用期間内で使い切ることが推奨されます。
つまり、処方薬の使用期限とは、医薬品のパッケージなどに記載されている「有効期限」ではなく、医師の指示による「服用期間(使用期間)」と理解しましょう。
ただし、頓服薬や多めに処方された外用薬など、明確な服用期間が指定されないケースもあります。そうした場合でも「いつまでも使える」わけではありません。時間が経つと成分の劣化や、雑菌が繁殖する可能性があるため、以前処方された薬が残っていても、いつ処方された薬か不明な場合は、使用を控えるのが賢明です。
もし、手元の薬がまだ使えるかどうか判断に迷う場合は、自己判断せずに薬局・薬剤師にご相談ください。
期限切れの薬を使うのは危険?
使用期限が切れた薬は、有効成分の分解や変質により、期待された効果が得られないだけでなく、健康被害を引き起こすリスクがあるため、使用は避けましょう。
薬は時間の経過とともに有効成分が分解されるため、期待した作用が得られず、治療の遅れにつながる可能性があります。これにより、症状が長引いたり悪化したりすることも考えられます。
特に点眼薬、内服液、シロップ剤などの液体の薬は、開封後に雑菌が混入しやすく、感染症につながるリスクも伴います。
また、自己判断で余った処方薬を使用することは避けましょう。似た症状でも原因が異なれば必要な薬も違うため、「前と同じ症状だから」といって以前の処方薬を使ってしまうと、適切な治療の機会を逃し、症状を悪化させる恐れがあります。本当に同じ症状かは、医師による診察を受けなければ判断ができないため、必ず病院を受診しましょう。
余った処方薬はどうすれば良い?
処方薬は、そのときの診断内容に合わせて受診者に向けて診断と処方に基づき調剤された薬です。そのため、ほかの人にゆずることはせず、医師の指示どおりに使い切ることが基本です。
それでも薬が余ってしまった場合は再利用せず、次の方法で適切に処分しましょう。
- 錠剤・カプセル・散剤・塗り薬など
可燃ごみとして捨てる。薬のシートも同様。 - 吸入薬
吸引器にプラスチックと金属が含まれていることが多いため、不燃ごみとして捨てる。 - 注射針
処方を受けた医療機関や薬局で回収してもらうのが原則。ごく一部の自治体では、可燃ごみとして処分できる場合があるが、自治体によってルールが大きく異なるため、必ず自治体などに確認が必要。

多くの場合、可燃もしくは不燃ごみで処分できますが、自治体によって分類が異なるため、必ずお住まいの地域のルールに従ってください。また、不要になった薬を回収し、適切に処分してくれる薬局もあります。対応しているかどうかは薬局によって異なるため、確認してみることをおすすめします。
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薬の保管で注意したいこと
薬は、温度や湿度、光の影響で品質が低下することがあります。そのため、保管場所は高温多湿・直射日光を避け、涼しく乾燥した屋内(1〜30℃ほど)を選びましょう。
具体的には、以下のような場所では、薬の分解が進み、効果が弱まる恐れがあるため注意が必要です。
薬の保管に適さない場所
- 直射日光が当たる場所
- 湿気の多い場所(キッチン・洗面所など)
- 高温になる場所(車の中など)
このほか、薬の種類によって最適な保管方法が定められているため、指示された保管方法を必ず守ってください。多くの処方薬は室温保管が想定されていますが、中には冷蔵庫での保管が必要な薬や、逆に冷やすことで品質が損なわれる薬もあります。
薬剤師からの説明や薬剤情報提供文書、薬の容器・パッケージに記載されている保管方法をしっかり確認し、適切に保管しましょう。
使用期限や余った薬のことは薬剤師へ相談
処方薬はそのときの症状や病状に合わせて処方されています。期限が切れた薬の使用や、余った薬の再利用、他人にゆずることは避け、適切に処分をしましょう。
「この薬はまだ使える?」「どう捨てれば良いの?」など疑問があるときは、お近くの薬局で遠慮なく薬剤師へご相談ください。
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参考文献・資料
記事監修
石黒 貴子
薬剤師/薬剤師歴26年











