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ヘルペスってうつる?
原因や症状、対策を解説

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスに感染することによって、皮膚や粘膜に水ぶくれができる感染症の総称です。

主に口唇(こうしん)ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の3つがあり、免疫力が低下したタイミングで再発しやすいのが特徴です。

今回は、ヘルペスの種類や症状、原因や治療法について解説します。さらにヘルペスの発症や再発を防ぐ方法、感染対策についてもご紹介します。今日からできることを実践していきましょう。

ヘルペスとは?種類や原因・症状

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の総称です。ヘルペスウイルスにはさまざまな種類があり、代表的なものに単純ヘルペスと帯状疱疹を引き起こすウイルスがあります。

これらのウイルスは、接触感染によって人から人へうつり、感染すると皮膚に痛みのある水ぶくれやただれなどが現れます。また、一度感染すると免疫力が落ちたタイミングで再び活性化して、症状を引き起こします。

ヘルペスの種類・原因・症状

種類 原因ウイルス 主な症状
単純ヘルペス 口唇へルペス
単純ヘルペスウイルス1型
(HSV-1)
・ピリピリとした違和感や痛み

・かゆみ

・赤み

・腫れ

・水ぶくれ
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルス2型
(HSV-2)
・ピリピリとした違和感や痛み

・かゆみ

・赤み

・水ぶくれ

・ただれ

・排尿時や歩行時の痛み

・リンパ節の腫れや痛み

・発熱
帯状疱疹
・水痘(すいとう:水ぼうそう)

・帯状疱疹ウイルス(初感染では水痘を発症)
・身体の片側(左右のどちらか)にピリピリとした違和感や痛み

・かゆみ

・赤い発疹

・水ぶくれ

・リンパ節の腫れ

・発熱
種類 原因ウイルス 主な症状
単純
ヘルペス
口唇
へルペス
単純ヘルペス
ウイルス1型
(HSV-1)
・ピリピリとした違和感
や痛み

・かゆみ

・赤み

・腫れ

・水ぶくれ
性器
ヘルペス
単純ヘルペス
ウイルス2型
(HSV-2)
・ピリピリとした違和感
や痛み

・かゆみ

・赤み

・水ぶくれ

・ただれ

・排尿時や歩行時の痛み

・リンパ節の腫れや痛み

・発熱
帯状疱疹
・水痘(すい
とう:水ぼう
そう)

・帯状疱疹ウ
イルス(初感
染では水痘を
発症)
・身体の片側(左右のど
ちらか)にピリピリとし
た違和感や痛み

・かゆみ

・赤い発疹

・水ぶくれ

・リンパ節の腫れ

・発熱

単純ヘルペス

単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することで、皮膚や粘膜に水疱(すいほう)やただれが生じる感染症です。

「単純ヘルペスウイルス1型」によって顔や口まわりに発症するものを「口唇ヘルペス」、「単純ヘルペスウイルス2型」によって性器周辺に発症するものを「性器ヘルペス」と呼びます。

1 口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)によって引き起こされます。

初期症状としては、顔や口のまわりにピリピリとした違和感や痛み、かゆみ、赤み、腫れ、水ぶくれが生じ、水ぶくれは後にかさぶたになって、1〜2週間ほどで症状が治まります。

口唇ヘルペスの症状

初感染では症状が重く、リンパ節の腫れや発熱を伴うこともあります。幼少期に両親との接触や食器の共有を介して感染するケースがよくみられます。

一度感染するとストレスや疲労によって免疫力が低下したタイミングでウイルスが活性化し、再発する場合もあります。ただし、再発時には、ウイルスに対する免疫ができているため、比較的症状は軽くなります。

2 性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)によって引き起こされます。

性的接触を介して感染し、性器やその周りにピリピリとした違和感や痛み、かゆみなどが現れ、赤みや水ぶくれができ、やがてただれなどの症状が出ます。初感染では症状が重く、排尿や歩行のときの痛み、リンパ節の腫れや痛み、発熱などの症状を伴うこともありますが、人によっては無症状の場合もあります。

性器ヘルペスは、特に再発しやすいといわれていますが、こちらも一度感染するとウイルスに対する免疫ができているため、初感染に比べて症状は軽くなります。

帯状疱疹

帯状疱疹は、ヘルペスウイルスの一種である「水痘(水ぼうそう)」または「帯状疱疹ウイルス」が原因の感染症です。

このウイルスは、子どもによくみられる水痘の原因ウイルスと同じもので、はじめて感染したときは、水痘として発症し、水痘の症状自体は1週間ほどで治まります。

その後、加齢やストレス、体調不良などで免疫力が低下したタイミングで再び活性化して、帯状疱疹を引き起こします。

初期症状は、身体の片側(左右のどちらか)にピリピリとした違和感や痛み、かゆみが生じます。その後赤い発疹が現れ、水ぶくれへと変化しながら神経に沿って帯状に広がっていきます。水ぶくれが破れて、10〜15日ほどでかさぶたになり、発症から約1か月で治ります。

帯状疱疹の痛みは、個人差があるものの「焼けるような痛み」「刺すような痛み」と表現されるほど、強いものもみられます。まれに水ぶくれが膿(う)んだり、リンパ節の腫れや発熱などの症状を伴うこともあります。

ヘルペスの潜伏期間

ヘルペスは、ウイルスの種類によって潜伏期間が異なります。それぞれ詳しくみていきましょう。

潜伏期間

種類 潜伏期間
口唇へルペス
約4~7日間
性器ヘルペス
約2~10日間
帯状疱疹
約2週間

口唇ヘルペスの場合

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型にはじめて感染した後、約4〜7日間の潜伏期間を経て発症します。

また、口唇ヘルペスだと思っていても、口内炎(アフタ性口内炎)や舌がんなど、症状が似ている別の病気である場合もあります。見た目だけでは判断が難しいため、気になる症状があるときは医師に相談をしましょう。

性器ヘルペスの場合

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス2型にはじめて感染した後、約2〜10日間の潜伏期間を経て発症します。

症状自体は、およそ2〜3週間ほどで治まりますが、神経の奥にウイルスが潜んでいるため、生涯にわたって再発するリスクがあります。

個人差はあるものの、一般的に性器ヘルペスの方が口唇ヘルペスよりも再発しやすく、症状を繰り返すのが特徴です。

帯状疱疹の場合

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスにはじめて感染した後、2週間ほどの潜伏期間を経て発症します。

ヘルペス・帯状疱疹の治療法

ヘルペスと帯状疱疹は、どちらも原因はウイルスです。口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹のいずれの場合でも、まずは医療機関を受診し、適切な治療が必要です。初感染が疑われる場合は皮膚科を受診し、かかりつけ医がいる場合には内科を受診しましょう。ウイルスの活動を抑える抗ウイルス薬の内服と塗り薬を併用して治療します。

口唇ヘルペスでごく軽い再発の場合は、過去に医師の診断・治療を受けたことがある人であれば、市販の塗り薬でのセルフケアも可能です。

患部に水ぶくれがある場合は、塗り薬を塗る際につぶさないよう注意しましょう。水ぶくれの中にはウイルスが含まれているため、つぶしてしまうと周囲にも感染を広げてしまうリスクが高まります。

また、塗り薬を使った後は、必ず手指を洗い、清潔に保ちましょう。ただし、手を拭いたタオルなどを家族や周囲の人と使いまわすと接触感染のリスクがあるため控えましょう。

ヘルペスの予防・再発防止

ヘルペスは、接触や飛沫(ひまつ)を介して人から人にうつる感染症です。自身の感染予防のためにも、周りの人に感染を広げないためにも、対策を行いましょう。

また、すでにヘルペスにかかったことがある人は、再発を防ぐことが大切です。

こまめな手洗いを心がける

ヘルペスウイルスは、直接的な接触やタオルなどの共有を介して感染が広がります。そのため、ヘルペスにかからないためには、こまめな手洗いで手指を清潔に保つことが基本です。

また、すでにヘルペスの症状が出ている方も、周囲への感染拡大を防ぐため、患部を触ったあとは石けんを使って手を洗うことが大切です。手洗い後は、タオルの共用は控え、清潔なタオルで拭くようにしましょう。

せきエチケットを意識する

口唇ヘルペスの症状が出ているときや、初期症状としてピリピリとした違和感や痛み、かゆみがあるときなどは、くしゃみやせきなどの飛沫を介して、周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。

飛沫感染を防ぐため、くしゃみやせきが出そうなときは、ハンカチで口元をおさえる、マスクを活用するなどしてせきエチケットを意識しましょう。

免疫力を高める

口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹は、体調不良やストレス、過労などの影響で免疫力が低下したタイミングで発症・再発する可能性が高まります。

そのため、日ごろから免疫力を高めておくことが、発症や再発の予防につながります。規則正しい食事と睡眠習慣を意識し、心身ともに無理をせず、体調不良のときはしっかり休養するよう心がけ、ウイルスに負けない身体をつくりましょう。

また、強い紫外線を浴びると、皮膚の免疫力が低下して、ヘルペスを発症しやすくなるといわれています。外出やレジャーの際は、日焼け止めや日傘、帽子などを活用して紫外線対策を行いましょう。

症状が出ているときの性交渉や接触を避ける

口唇ヘルペスや性器ヘルペスによる水ぶくれやピリピリとした違和感や痛みがあるときなどは、性交渉や接触によってパートナーにうつしてしまう可能性があります。

そのため、気になる症状があるときは、接触を控えましょう。また、性器ヘルペスの場合、症状が出ていないときでもウイルスを排出していることがあるため、感染に注意が必要です。

予防接種を受ける

現在、口唇ヘルペスと性器ヘルペスを予防するワクチンはありませんが、帯状疱疹の発症や重症化を防ぐワクチンは利用できます。

帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の方が受けることができます。2025年4月からは、65歳以上の方を対象に定期接種化されました。
予防接種を受けることで、帯状疱疹の症状を抑えることが期待できるため、対象の方は接種を検討してみましょう。

  • 2025年8月時点

ヘルペスの治療はアプリを活用しよう!

ヘルペスの治療は、医師の処方による内服薬と塗り薬による治療が中心になります。「処方薬の説明を受ける際に周囲が気になる」という方は、アイン薬局の公式アプリ「いつでもアイン薬局」をご活用ください。

「オンライン服薬指導」では、ビデオ通話で薬の説明を受けられるので、ご自宅で薬の説明を受けたい場合に便利です。

  • 薬の配送料については、ご利用いただく薬局までお問い合わせください。

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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