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花粉症の主な症状とは?
症状別の対策を解説

公開日:2024/03/07

毎年1月はスギの花粉が、2~3月はヒノキの花粉が飛び始める時期です。
いつ花粉症の症状が表れるか、ひやひやしている方も多いのではないでしょうか。
これまで花粉症の兆候がなかったのに、今年になって突然発症するというケースもあり得ます。
花粉症の基礎知識を押さえ、症状が出る前、あるいは症状が軽いうちに対処していきましょう。

目や鼻に表れる
花粉症の主な症状

花粉症の主な症状は、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎によりもたらされます。
アレルギー性鼻炎の代表的な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが挙げられます。
アレルギー性結膜炎の代表的な症状は、目のかゆみ、充血です。
その他、喉のかゆみや、花粉が皮膚に付着することによる花粉皮膚炎(肌の腫れやかゆみ)を起こすこともあります。

これらの諸症状は、集中力の低下や寝不足などにつながり、その結果として日常生活に支障が出てしまうことも。
花粉症が自然に治ることはほとんどないといわれており、困った症状を抑えるためには何らかの治療が必要になります。

なお、アレルギー性鼻炎の症状は風邪の症状とよく似ていますが、「花粉の飛散量が多い昼や夕方に症状が出やすい」「外出時・外出後に症状が出やすい」「鼻水の状態はさらっとして透明であることが多い 」といった特徴があれば、花粉症の可能性が高いといえます。

さまざまな花粉症の原因

花粉症は、花粉がアレルゲンとなるアレルギー性疾患です。
花粉が体内に入ると、身体はそれを異物と認識し、抗体を作り出します。その後体内に花粉が入るたびに免疫機構が働き、花粉症が発症します。

花粉症のメカニズム

花粉症のメカニズムは以下の4つです。1 花粉が体内に入る 2 リンパ球などが抗体を作り出す 3 花粉が抗体とくっつきヒスタミンなどが放出される 4 花粉症が発症する

花粉症の原因となる花粉を飛散させる植物としては、スギ、ヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギ、シラカバ(シラカンバ)などが知られています。
地域によって差があり、関東・東海ではスギ花粉症が多く、九州ではヒノキ花粉症が多い傾向です。
どの植物で発症するかは血液検査で調べることもできますので、医師にご相談ください。

花粉症の原因となる花粉の飛散時期

花粉症の原因となる花粉の飛散時期の図 詳細は下部に記載

スギ

飛散時期:1~5月頃、ピーク:3月頃

ヒノキ

飛散時期:2~6月頃、ピーク:4月頃

イネ科

飛散時期:ほぼ通年(北海道では6~9月頃)
ピーク:5~6月頃(北海道では6月頃)

キク科 (ブタクサ、ヨモギ)

飛散時期:8~10月頃、ピーク:9月頃

シラカバ (シラカンバ)(北海道)

飛散時期:4~6月頃、ピーク:5月頃

花粉症の3つの治療方法

花粉症の治療方法の主な選択肢は、薬物療法、アレルゲン免疫療法、手術療法の3つです。

薬物療法

花粉症の症状に対しては、代表的に以下のような薬が用いられます。

主な花粉症の薬

列は「鼻」と「目」の区分、行は各区分に対する薬の名前「種類」と「効果」の説明 種類 効果
抗ヒスタミン薬 鼻水を抑える
抗ロイコトリエン薬 鼻づまりを改善する
ステロイド点鼻薬 鼻の炎症を抑える
抗ヒスタミン点眼薬 目のかゆみを抑える
ステロイド点眼薬 目の炎症を抑える

薬物療法においては、花粉症の症状が出る前に行う治療(初期療法)と、症状が出てから重症度に応じて行う治療があります。
事前に花粉のアレルギーがわかっている方は、初期療法を受けることでシーズンを通して症状をやわらげることができるので、治療の開始時期や方法を医師と相談してください。

なお、抗ヒスタミン薬の代表的な副作用として眠気や口の渇きがあり、日常生活に影響する場合もあります。
特に眠気については、車の運転や機械の操作などに支障をきたすことがあるので注意が必要です。
花粉症には市販薬で対処する方も少なくないですが、そこにも同じ成分が含まれていることがほとんどです。
さらに、かぜ薬の中には抗ヒスタミン成分を含んだものが多く、鼻炎薬と併用するとより副作用が強く出るリスクがあるので、注意してください。

薬の副作用や飲み合わせ、市販薬の選び方などで聞きたいことがあれば、公式アプリ「いつでもアイン薬局」の安心お薬サポート※1で薬剤師にご相談ください ※2

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アレルゲン免疫療法

花粉症の原因物質(アレルゲン)のエキスを投与することでアレルゲンに対する過敏性を抑え、症状を緩和する治療法です。
その代表例であるスギ花粉症に対する舌下免疫療法は、医療保険の範囲内で受けることができます。
3つの治療選択肢の中で唯一、アレルギー自体を治すことができる可能性があるものの、3~4年にわたる長期間の継続治療が必要です。

手術療法

鼻づまりが強い場合やくしゃみや鼻水を抑えたい場合は、鼻の粘膜をレーザーで焼いて凝固させる方法などもあります。

どの治療方法を選ぶにしても、日常生活においてアレルゲンをできるだけ遠ざけることが治療の第一歩になります。
例えば、花粉が舞う時期に外出するときはマスクやゴーグルを着用する、帰宅時は頭髪や衣服に付いた花粉を払ってから屋内に入るといったことを心がけてください。

薬を使った花粉症治療は長期に及ぶうえ、花粉が飛び交う中で薬局へ向かうのは大変かもしれません。
オンライン診療と公式アプリ「いつでもアイン薬局」のオンライン服薬指導を併用すれば、外出することなく手軽に薬を受け取ることもできます

  • 薬の配送料については、ご利用いただく薬局までお問い合わせください。
女性が「花粉のことを考えるだけで、鼻がむずむずしてきますね。オンラインサービスの活用で外出せずに薬を受け取れるなんて、心強いです!」と話しているイラスト

参考⽂献・資料

  • 日本アレルギー学会「アレルギーポータル」
  • 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「2021年版アレルギー性鼻炎ガイド」

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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