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糖尿病の原因と主な初期症状・治療法

公開日:2023/5/26

糖尿病は「国民病」!想像以上に身近な病気

日本人の5~6人に1人がかかっている糖尿病は、現代の国民病ともいえる身近な病気です。
原因や治療法等の基礎知識を備え、ご自分や大切な人を守りましょう!

糖尿病の原因と初期症状は?

糖尿病とは?

糖尿病とは、血液内に含まれる糖の値(=血糖値)が基準を超えて高い状態です。
通常、食前の血糖値は70~100mg/dL程度です。
糖尿病は何回かの検査を組み合わせて診断されますが、具体的には次の基準を超えると糖尿病の可能性が高まるため、必ず医療機関で検査を受けましょう。

糖尿病の診断基準

血糖値:空腹時血糖値126mg/dL以上、食事をとった後に測った血糖値200mg/dL以上のいずれか

または

HbA1c(国際標準値):6.5%以上

※HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖値を反映したもの

また、血糖値が160~180mg/dL程度まで高くなると、尿の中にも糖が含まれることがあります。
そのため、糖「尿」病と呼ばれるのです(初期段階では、必ずしも尿糖が検出されるわけではありません)。
通常、体内に入った糖分は、インスリンというホルモンの働きにより細胞内に取り込まれ、エネルギー源となります。
これにより、血糖値が下がる方向で調整されるのです。
ところが、インスリンの働きが不十分だと、細胞内に取り込まれる糖が少なくなり、行き場を失った糖が血液中にあふれ、血糖値が高くなってしまいます。

インスリンが十分に働かない原因としては、主に次の2つがあります。

インスリンの分泌が低下している。

肥満等の影響で、十分にインスリンが分泌されていても機能を発揮できない。

原因①インスリンの分泌低下

インスリンは膵臓から分泌され、「細胞のドアを開けるドアマン」のような役割を果たしています。
膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌量が減り、「カギ」が不足した状態に。
その結果、細胞内に入れなくなった糖が血液中にあふれます。

インスリンの分泌障害

インスリンの分泌障害 インスリンの分泌障害

原因②インスリンが機能していない(肥満等)

運動不足や過食等で肥満になると、インスリンの働きが鈍くなります。
すると、インスリンの量が十分(=「カギ」がたくさんある)にもかかわらず、「ドア」をうまく開けられない状況に。
その結果、細胞内に入れなくなった糖が血液中にあふれます。

インスリン抵抗性

インスリン抵抗性 インスリン抵抗性

糖尿病の初期症状

糖尿病の症状には、喉の渇き、多飲、多尿、倦怠感、体重減少等があります。
ただし、初期の段階では目立った症状がなく、糖尿病になっていることに気付かないケースも少なくありません。
糖尿病で特に注意したいのは、合併症(視力低下、手足の痺れ、腎機能低下による透析導入)を引き起こすところ。

日ごろから予防を心がけるとともに、気になる症状を感じたら早めに医療機関を受診し、早期発見・治療しましょう。
また、治療をはじめたら自己判断で中断しないことも大切です。

糖尿病のタイプと特に注意したいポイント

1型糖尿病と2型糖尿病

糖尿病は、大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病という2つのタイプがあります。
日本の糖尿病患者の約95%は、2型糖尿病です。
それぞれの成り立ちや治療法等は大きく異なります。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

1型糖尿病

2型糖尿病

原因

膵臓の細胞が壊れ、インスリンの分泌がほとんどなくなる。
原因として、自己免疫の異常等が考えられている。

生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンの分泌低下や、インスリンが機能していない(肥満等)状態が起きる

発症の仕方

急激に症状が現れる

初期症状に乏しく、気付かないうちに進行する

年齢の傾向

若年に多い(ただし、何歳でも発症する可能性はある)

中高年に多い

体型の傾向

やせ型が多い

肥満の場合が多いが、やせ型の場合もある

治療法

注射でインスリンを補う

食事や運動療法が基本
場合によっては、服薬やインスリンの注射を使うことも

※上記以外に、他の病気や薬の影響、妊娠がきっかけで生じる糖尿病もあります。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

1型糖尿病

原因

膵臓の細胞が壊れ、インスリンの分泌がほとんどなくなる。
原因として、自己免疫の異常等が考えられている。

発症の仕方

急激に症状が現れる

年齢の傾向

若年に多い(ただし、何歳でも発症する可能性はある)

体型の傾向

やせ型が多い

治療法

注射でインスリンを補う

2型糖尿病

原因

生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンの分泌低下や、インスリンが機能していない(肥満等)状態が起きる

発症の仕方

初期症状に乏しく、気付かないうちに進行する

年齢の傾向

中高年に多い

体型の傾向

肥満の場合が多いが、やせ型の場合もある

治療法

食事や運動療法が基本
場合によっては、服薬やインスリンの注射を使うことも

※上記以外に、他の病気や薬の影響、妊娠がきっかけで生じる糖尿病もあります。

こんな人は特に注意!

2型糖尿病は、生活習慣が大きく関与しています。
以下のチェックリストを活用し、糖尿病を遠ざける生活習慣を心がけていきましょう。

2型糖尿病を招く生活習慣とリスク因子

運動不足である

朝食を抜く、間食が多い、夕食が遅い、早食いである

きのこ類・海藻・野菜・果物の摂取が少ない

喫煙者である、禁煙して体重が増えた

アルコールを日本酒換算で平均1日2合以上飲んでいる

体重が多い、最近体重が増えた

高血圧症がある

親兄弟(姉妹)が糖尿病だ

適切な血糖コントロールが治療のカギに

糖尿病の治療は食事療法と運動療法が基本ですが、さらに薬物療法が加わることも。
薬物療法には、血糖を下げる飲み薬(血糖降下薬)が用いられます。
インスリンを自己注射する方法もありますが、これは症状の重い患者さま向けのため、まずは重症になる前に、薬でしっかりコントロールすることが大切です。
医師と相談しながら治療法を決めていきます。

その際、医師や薬剤師から、低血糖についても説明があります。
薬や自己注射の量やタイミングを間違えて血糖値が下がりすぎると、低血糖に陥る可能性があります。
低血糖とは脳に十分なエネルギーが回らなくなった状態で、長く続くと錯乱やけいれん発作、意識の消失が起こります。
高血糖にも低血糖にもならないような、適切な血糖コントロールが必要です。

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参考文献・資料

日本糖尿病学会 編・著 : 糖尿病治療ガイド2022-2023,文光堂,2022

記事監修

野原 弘義

精神科医/産業医

2014年 慶應義塾大学医学部卒業。
2016年 慶應義塾大学医学部 精神神経科学教室 入局。
2018年 製薬会社の統括産業医に就任し、大手金融企業や広告代理店企業などの産業医を務める。
2023年 アインファーマシーズ統括産業医に就任。
スタートアップ企業の産業医にも注力しながら、生活習慣病とメンタルヘルスの方への夜間診療を行うMIZENクリニック市ヶ谷麹町の院長として日々診療に従事している。

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